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ノイズキャンセルイヤホン実機レビュー2020/APRIL ~Apple AirPods Pro他

投稿日:2020年4月6日 更新日:

また、ホラーとはカンケーのない記事を書いてしまった……しかし、いつも以上の本気のレビュー。「ノイズキャンセリングという魔物 ~プロローグ」の続きです。

Apple AirPods Pro 30,580円(税込)


ANC:★★★★☆
音質:★★★☆☆
装着感:★★★★★
接続性:★★★★★
持続性:★★★☆☆
操作性:★★★☆☆
総評価:★★★★☆
(ANC/アクティブノイズキャンセリング(消音スピーカー:Wiki)機能)
※価格は2020年4月4日現在のAmazonの参考価格

ノイズキャンセル機能に取り憑かれた人間として、どうしても無視できずに買ってしまった。多分、イヤホンだけで既に10個以上ある。だが、極めて完成度の高い出来栄えに今は満足している。

しかし、初回装着した時の感想は「こんなもんか」であった。確かにスーッと雑音が消えるのは分かったのだが、直後にショッピングセンターを歩いてみると、結構うるさい。人の声を余り遮断しないからだろう。後述するが、SONYのWH-1000XM3の性能を期待したからだ。ただ、それは間違っていた。これはあくまでカナル型イヤホンであり、耳栓では無いのだ。むしろ、外音を積極的に聞こえるようにしつつ、これだけのノイズキャンセリング機能が働くのはすごい。毎秒200回というリアルタイムなノイズ分析で、騒音のみをカットしている。何回かノイズ機能を切ったりつけたりしたが、やはりノイズは大幅に低減されている。今乗っている電車では、ほぼ振動しか感じない(車内では話す人は少ない)。

独自の構造で内部の空気を外に逃し、カナル型独特の圧迫感がほとんど無いのも素晴らしい。これは他の追随を許さない着け心地だ。散々「うどん」呼ばわりされた前モデルと比べると丸くて可愛いデザインになっていて、着けていて恥ずかしくもない。

音質は極めて素直なチューニングで、これを低音が足りないと見るか、自然な音と見るかは好みの問題だろう。私は特別不安はない。時々スカーンと抜けるような気持ちの良い音だと思う。純粋に音楽を求めるのなら、いくらでもいい音質のヘッドホンはあるだろうが、通勤電車などで威力を発揮するANCとしては十分過ぎる響きだろう。結局、音量を上げれば何でも一緒になってしまうからだ。

また、この手のBluetooth接続イヤホンとして「途切れない」というのは必須機能である。そういう意味では、iPhoneとの相性は最高で、ほとんど途切れない(流石にゼロではない)。左右分離型はとかく途切れやすいので、満員電車に乗ったらブツブツ途切れる中華イヤホンも多い。地味に技術が問われるところだ。これもクリアしている。

イヤホン単体で4.5時間という再生時間、ケース込みで24時間というのは、やや不満が残る。ライバルたちと比べても短い。これを好意的に書いてるサイトも多いが、私は将来の劣化を考えると不安だ。今は行き帰りと昼休みに聴いても十分だが、2年後にはかなり短くなっているだろう。もちろん、バッテリーの交換サービスはない。基本的に約2〜3年で「使い捨て」る製品と考えるべきである(iPhoneもそうだ)。そう考えると強気の価格設定はお財布には痛い。この辺が泣き所だろう。また単体で音量調節できない(Siriを呼べばできるが車中で「音量下げて」と呟くのは事実上無理)のは地味に不便。Apple Watchなどとの連携を考えているのだろうが、実はApple Watchの音量調節は地味に使いにくい。わたしはFOSSILのハイブリッドスマートウォッチ(見た目はアナログだがBluetoothでスマホと接続できる)の竜頭「音量を割り振って使っているが、ここは何とかできなかったか?
(参考画像:イブリッドスマートウォッチHR FTW701)

と言うわけで満足はしているが、これが完成形とは思っていない。更なるノイズキャンセリング昨日の進化、バッテリーの強化、操作性の向上など、課題は多いと思っている。しかし、誰かにiPhone用のノイズキャンセリングヘッドホンのオススメを聴かれたら、まずはこれを勧めるだろう。現在、最もバランスのいいヘッドホンであることは間違いない。

※4/3の帰りの電車の使用(約2時間)では4回ほど音が途切れたので追記しておく。(iPhoneXSとペアリング)

SONY WF-1000XM3 25,818円(税込)


ANC:★★★★☆
音質:★★★☆☆
装着感:★★★☆☆
接続性:★★★☆☆
持続性:★★★☆☆
操作性:★★★☆☆
総評価:★★★☆☆

Air Pods Proが発売されるまでは左右分離型・Bluetooth接続のノイズキャンセリングイヤホンといえばこの機種だった。私も何度も買おうか悩みつつ「そろそろ新機種が出るのではないか?」という疑いから買えずにいたが、皮肉にもAir ods Proのノイズキャンセリング機能の第一印象がイマイチだったことから衝動買いした。Panasonicの新機種を待っても良かったし、デザインに優れるLibratoneに逃げても良かった。しかし、現時点でノイズキャンセリング界で双璧と呼ばれる本機種を無視することは結果的に不可能だったのだ。

では、実際のノイズキャンセリングの性能はどうか? そこは一日の長があり、AirPods Proよりより「遮音性」が高い。装着感にこだわったAir Pods Proと比べれば、メカニカルかつガッツリした重量感がある。耳にねじ込む動作が必要と言おうか、この独特のデザインを支えるために、結構、深く耳にする突っ込む必要がある。少しコツも要る。そしてこの密着度がパッシブな遮音性、要は耳栓効果を生むので当然静寂度は高い。ただ、これも想像したほどの静寂が訪れる訳でもなく、あくまで「今現在ある製品でいい方」というものである。細かくノイズキャンセリング度合いを調整できたりして、ガジェット感はあるが、まあ性能は互角とみた。

ここからは幾つかの弱点に触れたい。まず、一番まずいのは他製品より「途切れやすい」こと。これの前のモデルが使い物にならないほど途切れたらしいのでそれは伝統かも知れない。体感的に1時間に1〜2度くらいは一瞬音が飛ぶ。気にしなければ、気にならない程度ではあるが、逆に気にしだすと結構切れてる。また構造的な問題で耳に負担がかかる。今回比較した製品では一番大きい割にしっかり落ちないのはいいのだが、着けてる感が凄い。個人的に気になるのは風切音。Air Pods Proではほとんどないが、少しでも風が吹くとすごい音がする。これは結構マイナスポイント。余り野外向きでは無い。バッテリーは本体で6時間持つのはアドバンテージだが、ケースと合わせると24時間とAir Pods Proと変わらないのは残念だ。音量調節ができないのも同じ。

音質的にはより低音が響くような気がする。私はオーディオ耳は持ってないのでなんとも言えないが、AirPods Proより音質は上という評価は多く聞く。ハイレゾへのアップコンバート機能が付いているからかも知れない。ただ、実用レベルでは好みの問題になるだろう。静寂な空間で使用することを前提としていない以上、過剰に音に拘っても仕方がないというのが、私のスタイルだ。

有利な点としては、価格がこなれていて、Air Pods Proより7,000円以上安い。またAndroidユーザーは何となくあのAppleスタイルが嫌かも知れないので、こちらの方が親和性が高いと思われる。

ここまで、実機で音を聞きながらリアルタイムで記事を書いてきたが、装着感も気にならなくなってきたし、普通に良い製品だと思う。次のモデルに更なる進化を期待したい。

SONY WH-1000XM3 33,700円(税込)


ANC:★★★★★
音質:★★★★★
装着感:★★☆☆☆
接続性:★★★★★
持続性:★★★★★
操作性:★★★★★
総評価:★★★★☆

同じSONY製だがこちらは完全なオーバーヘッドフォン。そもそも形が違うので、前2機種と単純には比較できないが、とにかくノイズキャンセリング性能が凄い。カナル型とは別次元である。スイッチを入れた瞬間、騒がしいホールや電車の中が、人の少ない図書館並みに静かになる。スーッと引くのでは無く、瞬時に静寂が訪れる。今のところ、ノイズキャンセリングの性能だけなら、本製品には何の不満もない。ライバルのBOSE製のヘッドホンも同じくらいのレベルらしいが、この一台が有れば、屋外でのノイズキャンセルは完璧だ。音量を絞っても美しく聞こえる音楽を聴いていると、ある種の非日常感すらある。電車の中が、何かの映画のワンシーンに思えることすらある。正に感動的な製品で、私が求めているのはこのクラスの性能なのだ。音量の高低差が激しいクラシックもちゃんと聴ける。その他もカナル型に比べれば、連続30時間再生、音量コントロール機能、外音取り込み機能、有線接続可能など、隙のない仕上がりだ。

しかし、である。

インワードアクシスストラクチャーなどと大層に書かれているが、独自の構造で完璧に耳に密着する。これ自体の着け心地は決して悪くない。悪くないが、余りにぴったりくっつくので、とにかく耳が熱くなる。個人差はあるが、気温が10度を超えた辺りから、1時間以上の装着で汗をかくようになる。真夏なら10分も持たないと思う。真冬だと反対に暖かくて助かる程なので、イヤーウォーマーと言ってもいい。これほどのノイズキャンセル機能を持っているが、基本的に冬場か空調の効いた部屋でしか事実上使えない。また、いかにも「音楽聴いてます」なビジュアルに抵抗があるかも知れない。コンパクトなサイズに収納するため、複雑な形態に変形するのだが、これが少し面倒だ。それでも鞄にいれるとでかくて場所を取る。

取り回しの悪さは我慢するとしても、暑いのはどうしようも無い。何らかのクーリング機能が搭載されない限り、オールシーズンの利用は難しい。ちなみにそれなりにいいお値段もする。

これが今回、左右分離型のノイズキャンセリングヘッドホンを探すきっかけになったのは間違い無い。最初の2つはもちろん夏場でも大丈夫だろう。ノイズキャンセリングを求め、ノイズキャンセリングの性能を切り捨てないといけないというのは残念だが、まだまだ、ANCの進化はこれからだと思っているので、2020の熱い戦いに期待している。

Jabra Elite Active 65t 15,800円(税込)


ANC:なし
音質:★★★☆☆
装着感:★★★★☆
接続性:★★★★☆
持続性:★★★☆☆
操作性:★★★★☆
総評価:★★★★☆

実はノイズキャンセリング機能は邪道という考え方がある。原理的に騒音を逆相位の音で打ち消す以上、ホワイトノイズという独特のサーッというノイズが発生する(製品によってかなり違いがある)。ノイズを消すのにノイズを発生させるのは矛盾しているというわけだ。現状、ノイズキャンセリングを搭載した製品が、オーディオマニアから見て完璧でないのは事実なので、一理ある。

そこで再び、パッシブな消音効果、つまりは耳栓機能を上げて綺麗に音を響かせるという製品群がある。そこで、お勧めしたいのがこのJabra Elite Active 65tだ。本体5時間、ケースで10時間、計15時間のバッテリーの持続性という弱点を除けば、AppleやSONYにも勝るとも劣らない完成度なのだ。今は改良版のElite Active 75tが出ていて本体7.5時間、ケースと一緒で28時間という持続性を確保している。

ただ、このJabra Elite Active 65tはIP56準拠という高い防塵・防水性がある。その防水性は「あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない(耐水形)」レベル。つまり少々の雨程度はものともしない=Activeなのである。ちなみに75tはIPX55と防水性能が一つ落ちている。防塵性能は共に「有害な影響が発生するほどの粉塵が中に入らない(防塵形)」。ついでに書くと、Air Pods ProはIPX4(あらゆる方向からの飛まつによる有害な影響がない(防まつ形))防塵性能は保証しない(試験をしていない)。WH-1000XM3に至っては一切の防水・防塵に保証がないというレベル。それは壊れやすいとも言える。余談だが、Apple Watchとこのイヤホンを着けてプールで泳いでみたが、何ともなかった。ただ、Bluetoothは水を透過しないので、ほとんど平泳ぎしかできなかったが。

また、このイヤホンを推したい理由は、抜群の接続性である。医療用の技術が投入されていると言われるが、とにかく途切れない。Appleと比べても全く遜色がないのは凄い。むしろこの道のノウハウを蓄積していて、業務用イヤホンなどを作っていたJabraの底力が発揮されていると言える。着け心地も悪く無く、軽くて優しい。SONYのようにねじ込むこともない。付属のシリコンイヤーチップに相当の技術力が投入されていると見た。

音質についてはSONYと比べるとやや軽めで、重低音好きの方は物足りないかも知れないが、聴けないほど酷いわけではない。よほどシャカシャカしたり、くぐもったりしてなければ、満足できるので私的には十分と思える。クラシックでも聴くのなら別だが、主にポップス、ロック、歌謡曲を一定の音量で聴くならそこまで差は出ないだろう。聞き比べればもちろん違うが。

あと二つ、この製品にはアドバンテージがある。一つは本体だけで音量調整が出来ること。これは結構便利である。私は仕事中はアナログ時計しか着けられないので、Apple Watchなどは御法度だ。かと言って仕事が終わったら付け替えるのも面倒だ。そこでハイブリッドスマートウォッチを使って、AirPods Proの音量を調整しているのだが、時計のデザインが楽しめない。その点、このイヤホンを使えば好きなアナログ時計をその日の気分で選べる。

もう一つは保証が2年と長いこと。実際、バッテリーが極端に短くなるというトラブルがあったが、すぐに新品と交換してくれた。この辺がしっかりしてるのは安心だ。

という訳で、この65t(あるいはより小型で長寿命の75t)という選択肢は十分にありだと思っている。ANCは電力を消費するので、75tが小型なのに7.5時間の本体再生時間を実現できたのはその点がポイントかも知れない。ちなみにデザインも気に入っている。野外のスポーツなどに利用するなら防水防塵は必須なので、左右分離型のカナル型イヤホンを探すなら、実に侮れない製品と言えるだろう。

AKIKI TWS-P10 3,580円(税込)


ANC:なし
音質:★★☆☆☆
装着感:★★★☆☆
接続性:★★★☆☆
持続性:★★☆☆☆
操作性:★★★☆☆
総評価:★★★☆☆

最後にレビューするのは、いわゆる「中華イヤホン」こと格安イヤホン。音質も接続性も期待できないし、買った順番で言えば最後なのだが、この製品にはどうしても欲しかった機能が付いていたからだ。

この製品はケースに3,500mAhというそれなりの容量のバッテリーを積んでいて、しかも外部出力出来るのである。要するにイヤホン付きバッテリーとして買った。いや安いとはいえ、3,000円も払えばもっといいモバイルバッテリーは買えるのだが、そこが私の「業」なのだ。例の「Amazon’s choice」がついていたこともある。このクラスのイヤホンは、実際に5台以上買って持っているが、好奇心に負けた……。

まず、当初の目的である充電機能はバッチリだ。これとjabra 65t Activeを一緒に持っていれば、一週間以上使える。サイズも小さく軽い。これで完結してもいいのだが、やたらと売りが多いのがこの手のイヤホンの特徴……と言うわけで、順にレビューしていこう。

直前にAirPods Proをから切り替えた時、音質が一段下がったのが分かった。私でも分かるのだから、耳が肥えた人はキツいだろう。とは言え、我慢できないほどは悪くない。むしろよく頑張っている。「クリアな音質」かどうかは分からないが、普通に聴けるレベルだ。また接続性も、確かに時々途切れるが、実用的なレベルで、SONYとさほど変わらない。さらにこれまでの製品は左右がペアリングしなくなったり、トラブルが多発したが今のところそう言うこともない。上の4製品の10〜6分の1の価格で、出来ることは全部やっていると言えるだろう。ただ、CVCをノイズキャンセル機能のように書いているが、これは前述の通り通話時のノイズを省く機能なので、お間違いなく。

ケースも含めた最大再生120時間という特徴以外に、他の4製品を圧倒しているのがIPX7という防水性能だ。これは「一時的(30分)に一定水深(1m)の条件に水没しても内部に浸水しない(防侵型)」レベルで、風呂くらいなら付けたままでも大丈夫ということ。実際には温水は劣化を早めるので推奨はしないが、この価格である。例え壊れても惜しくない。イヤホンが無くても、バッテリーとして本体が使えると思えば、かなりのアドバンテージと言えるだろう。また地味に音量調整機能も付いているなど、機能だけならてんこ盛りで、ガジェットとしての楽しさは結構ある。他の製品は、例えば往復4時間、昼休み30分使ったとすれば、一週間は持たないので、これらの援護用、サブマシンしては完璧な製品だ。ちゃんと技適マークも取得しているのは偉い。

ただ、意味は分からないが社名がダサい……アキキと読むのだろうか……まあ社名なんてどうでもいいのだが。ちなみに本体は特徴は無いが、特別悪いデザインでは無い。着け心地も悪くない。という訳で、あなたもこの価格帯の怪しい製品群に飛び込んでみよう。ちなみに、「中華イヤホン」はすぐ壊れることは前提条件とは書いておく。(この製品は6ヶ月サポートが付いている)

【総評】
ノイズキャンセル機能に取り憑かれ、その製品群を追い求めてみたが、どれも一長一短、オーバーヘッド型のWH-1000XM3が最強の性能で、カナル型はまだまだというのが正直な感想。大人しくJabra Elite Active 65tを買うのが無難と言えないこともない。余談だが、このメーカーはイヤホンとケース、イヤーチップの別売の広告が来た(個別にメンテナンスできる)。結局、65tが一番好きかも知れない。しかしこのジャンルはこれからが勝負だ。地下鉄をコンサートホールに変える製品が出ることを期待して、ひとまず終わり。

(きうら)


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