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寄生獣(1)~(10)(岩明均/ビッグコミックス) ~あらすじとそれに関する軽いネタバレ、感想

投稿日:2017年3月21日 更新日:

  • 人間に寄生する異生物との戦いを描く
  • 主人公と相棒のミギーの巧妙な掛け合い
  • 感動的な物語。もはや言うまでもなく大傑作
  • おススメ度:★★★★★

「何を今さら」度満載で紹介するのが、今回の寄生獣だ。映画化、アニメ化され、何度も何度も絶賛されているので、知らない人の方が少ないと思うが、自分なりに感想を書いてみたいと思う。

(あらすじ)人間の頭を奪って寄生する宇宙生物(?)が日本に落ちてくる。主人公の高校生シンイチも、頭を奪われそうになるが、宇宙生物は失敗して右腕に寄生してしまう。宇宙生物に寄生された人間は、人間を食べるようになるが、右腕の寄生生物(ミギー)は人間は食べず、シンイチと共生するようになる。そして、他の寄生生物にコントロールされた人間(寄生獣)と戦うというお話。スプラッター描写満載で、まさにホラー漫画と言っても過言ではない。

この漫画の凄い所は、上記のような「バトル物」のジャンルで、人を「感動させる」凄い物語の展開にある。普通の漫画家なら、ただの「どちらが勝つか」を面白おかしく描くだけだろうが、著者は違う。人間の存在意義にまで踏み込んで、心の奥底を揺さぶる物語が、ほとんど無駄なく展開する。誤解のないように書いておくが「バトル物」としても最大級に面白く、不利な状況の二人(ミギーとシンイチ)が状況をひっくり返していくのが超楽しい。他にも敵の敵は仲間など、マンガの定石も多数散見できるが、とにかく普通にバトルエンターテイメントコミックとしても傑作だ。

ただ、直接的なスプラッター描写、それも極端に残酷な描写が多いので、苦手な方は読むのが難しいかも知れない。何しろ人間を「食べる」のであるから、頻繁に血しぶきが上がり、腕や首が飛ぶ。サイコパスも現れたりして、残酷描写のオンパレードだ。ただ、この描写には意味があり、これを曖昧に描くと、この漫画は成立しない。ただのホラー漫画ではないので、そういうのが嫌でも、無理して読んでみて欲しい。

私が思う物語の最大のポイントは、シンイチとミギーの友情だ。ほとんど感情を出さないミギーが時々「本音」をいうのだが、これが深くて感動する。共生という立場だが、賢い友人という感じで、例えが変だが、藤子不二雄氏の漫画「エスパー魔美(Amazon)」に出てくる「高畑君」のようにシンイチにいつも好意を持って適切なアドバイスをしてくれる。本当に頼れる相棒という感じだ。よく「ゲゲゲの鬼太郎(Amazon)」の鬼太郎と目玉の親父の関係に例えられたりもしている。

失礼だが絵は一般的な基準ではそれほど上手い人ではないし(しかし味があっていい絵だ)、今となっては時代設定が古いが、それでも最後まで読めば「感動」せずにはいられない。人間とはなにものか? ということを問いかけてくる。どう感動するのかはやはり、読んで頂かないと分からないが、とにかく一度最後まで読んで欲しい作品であることは絶対に間違いない。

(きうら)


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