特になし

2010年代アニメまとめ(1)

投稿日:2019年9月27日 更新日:

  • 「10年代」のアニメ総評
  • 主に、テレビアニメについて
  • 個人的な感想がメインです
  • おススメ度:特になし

【はじめに】

これから数回にわたり、個人的に2010年代のアニメを振り返っていきたいと思います。内容的には、完全に独断と偏見をまじえて書いていきます。あくまで、私が感じたことを中心に書いていきます。もし事実誤認などありましたら遠慮なくご指摘くだされば有りがたいです。

さて、藤津亮太『ぼくらがアニメを見る理由』(フィルムアート社)は、著者があちこちの媒体に書いたアニメ評を集めたもの。「2010年代アニメ時評」という副題ですが、一部「ゼロ年代」のものも含みます。内容的には、国内外のアニメを内在的に読み解いていこうとしているのが特徴といえるでしょう。

ところで、評論家とは何でしょう。文芸評論家はその内実はともかく世間では認められています。映画評論家はいろんな意味で必要とされているかもしれません。その一方で、アニメを評論すること、とくにテレビアニメを評論するのは、今ではネットにあふれています。テレビアニメは楽しむものであって、なんか小難しいことを書くものではないかもしれません。一般の評論家(?)と呼ばれるひとたちの中には、アニメを用いて社会時評とかを書いている人もいるけれど、それはなんかおもろくない。(本物の)アニメ評論家というのがまだ認められていない(?)せいかもしれません。

というわけで、なるべくアニメだけの感想を、個人的な備忘録として書いていくというわけです。

【2010年代アニメの視聴環境】

2010年代のアニメ視聴環境は大幅によくなりました。ゼロ年代では、まだ配信とかもそんなになかったし、テレビアニメを同時期に楽しむには、東名阪などの大都市圏に住むか、CS放送やネットやレンタルなどで観るしかありませんでした。大都市圏に比べると、地方はタダで観られる本数はかなり少なかったように思います。ちなみに私は、ゼロ年代の有名アニメの中で、未だに観ていない作品がいくつもあります。

個人的にその流れが変わったと思うのが、配信やBS放送(でのアニメ放送)の充実にあるように思います。とくにBS放送は、金銭出してまで真剣にアニメ放送を観ない人向けとしては、視聴環境の充実に大きな貢献をしたと思われます。とくにBS11は2012年あたりから徐々に放送本数が増えてきた印象で、今では毎日深夜の放送番組をチェックするとアニメ番組ばかりです。そのせいかどうかわかりませんが、他のBS各局も深夜に放送枠を増やしていて、視聴する番組の取捨選択に悩むことになりました。

2010年前後には、BSでは「11」と「TBS」とたまに「日テレ」や「ジャパン(現テレ東)」なんかが、ちょこちょこ放送しているという状況でした。「TBS」はゼロ年代から自社系列製作のものは放送していました。「フジ」は放送したりしなかったりでしたけども、いまでは色々放送するようになりました。これらに加えて、NHKもちょこちょこ放送していますので、このままテレビ放送が続く限り、どこかで何かしらのアニメがほぼ無料で観ることはできるわけです。しかし、この状況は次の2020年代には縮小するかもしれません。局製のアニメがなくなることはしばらくないでしょうが、配信限定や関東限定の放送が増えてきたので、ほぼ無料で観ることはそのうちできなくなるかもしれません。というか、そのうち、アニメの視聴方法自体が変わりそうな予感がしますが。

この10年代というのは、ゼロ年代よりも制作本数が増えて、さらには、一般層の視聴者の取りこみが進んで、国内外でそれなりのアニメの地位はあがったかもしれません(というかアニメへの拒否反応は少し減ったかもしれません)。といっても、海外での日本製アニメの地位が高まったとは思えません。昔も今も、一部を除いて、国内外ではマニア向けアニメはニッチな層にしか届いていないと思います(海外からの観光客に、アニメが好きかどうか質問すれば何か分かるかも)。まあ、そういったところからたまにヒット作は生まれることがありますけども。

2010年代から、円盤ビジネスだけではない新たな収益システム(?)も構築されました。それから、いわゆる「聖地巡礼」も盛んになされていますが、これはごくまれに一部の作品において生じているという印象です。「聖地巡礼」ビジネスというものがあるとしても、狙ってできることはほぼ皆無でしょう。これらのことについては、個別アニメの項で書いていきたい(書けたらですが)。

【2010年を振り返ってみる】

さて、10年代のはじめである2010年についてです。その前の2009年には、『けいおん!』と「物語シリーズ」の『化物語』というヒット作品をはじめ、個人的な好きな作品が色々あっただけに、2010年にはどれくらいの制作本数かと期待したのですが、冬期(1~3月)アニメの本数があまりにも少なかったので、アニメ業界は大丈夫かと思ったものです。そもそも冬アニメは本数が少ないのですが、2010年代のはじめにしては少なすぎるなと思ったのをおぼえています。

2010年冬アニメでいうと、『ひだまりスケッチ×☆☆☆』でしょう。シャフト(新房監督)はこの時期にはもう一つありました(『ダンスインザヴァンパイアバンド』)が、いよいよシャフトの時代かと思ったかどうかおぼえてませんが、やはり映像表現では一歩抜けていたような気はしました。シャフトについてはいずれ書きたいです。『ひだスケ3期』については、録画した3話を早朝に視聴しているときに私の祖父が危篤だという連絡が入り、EDをしんみりとした気分で観ていたのが印象的なので、よくおぼえています。今ではそれに加えて、吉野屋先生にもしんみりしてしまいます。

それから、2010年に公開・放送された作品としては、京アニの『涼宮ハルヒの消失』と『けいおん!!』が挙げられるでしょう。とくに『けいおん!!』は全国TBS系列28局で放送されるという異例の態勢がとられました。このことが深夜アニメ放送枠の拡大に貢献した面はあると思います。批評家の石岡良治は、京アニという制作スタジオの特徴として「累積性」をあげています。2010年に公開放送されたこのふたつ(と2011年の『日常』)が、京アニのそれからの「累積性」に関する財産になったかと思われます。
余談ながら、『けいおん!!』放送の頃に、よく福井県(嶺北)に行っていたのですが、ここはTBSの系列局がなかったので、おそらく日本で唯一地上波で『けいおん!!』が観られなかった都道府県だったはずです。ただし、ケーブルテレビなどでは観られましたけども。

2010年は、地方在住者には、まだまだアニメ視聴環境はきつかったものがあります(この頃、福井県や山陰地方に行くと、「深夜アニメなにそれ?」という状況でした)。円盤を買うかレンタルで観るかCSに加入するかとしてしか、視聴機会などなかったのですから。もちろんBSで観られたものもありました。秋アニメでは、BS11で『ヨスガノソラ』を放送していましたけども、これは今のBSでは絶対に放送できないでしょう。これが週末の深夜11時台に全国放送されていたというのが驚きです。きっと、全国のお茶の間は氷ついたことでしょうねぇ。しかしこの『ヨスガ』は今考えると結構健全じゃないでしょうか。その内容はともかく、同クールに放送していた『俺の妹』と同様に、現在制作放送されているアニメよりもある意味健全だしクオリティは高い気がしないでもない。

そしてなにより、個人的に2010年といえば、アイドル中川かのん(東山奈央)が爆誕した年なのですが、これについてはまた別の機会に書きたい(機会があれば)。アイドルでいうと、2010年はアイドルグループの「ラブライブ!」プロジェクトが立ち上がった年でもありました。その当時どこかでこの企画を見たとき、「ふ~ん」としか思いませんでした。キャストも2~3人くらいしか名前を知らなかったですし。そのポテンシャルの高さを思い知るのは、2013年のアニメ放送でした。こう考えると、アニメというのは良くも悪くもイイ宣伝になるなという感じです。

『侵略!イカ娘』も秋アニメで、2010年の秋アニメは翌年を控えて、なにかとおもしろかったおぼえがあります。この頃、『まど☆マギ』の宣伝もされていて、来年はおもしろいものがはじまりそうだなと、期待大でした(震災が起こるまでは)。

というわけで、ざっとみてきましたが、これから補足部分も含めて、2010年代のアニメとその周辺を回顧的に書いていきたいと、いまのところ思っています。

(成城比丘太郎)


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