- 「コラム094」
- 栗本薫生誕70年。
- 栗本薫作品で、1番怖いのは?
- オススメ度:特になし
【はじめに】
今回の投稿は、ちょうど記事数が1000を越えたとのことですので、特別企画みたいなことになります。ちなみに、私(成城)が書いた記事数は、400くらいになります。
さて、今年(2023年)の2月13日は、作家栗本薫(別名、中島梓)の生誕70年にあたります。存命ならば古希の祝いをしていたのでしょう。なんというか、若くして亡くなったのだなぁと改めてそう思います。還暦も迎えられなかったのか、と。
というわけで(?)、今回は栗本薫と中島梓について何か書きます。栗の木の近くにある梅の、その花の香がかすかに薫る今日このごろ、何を書こうかと少し考えてました。
ちなみに、歌手の村下孝蔵も今月(2月)で生誕70年になるようです。村下孝蔵の歌(初恋、陽だまり)は歌い継がれるでしょう。その一方で、栗本薫の作品はいつまで読みつがれるだろうか。
【栗本薫作品のなかで、1番怖い作品は?】
・栗本薫『仮面舞踏会ー伊集院大介の帰還』(講談社文庫)
私は、栗本薫作品を200冊以上読みました。そのなかで、もっとも怖かったのが、この『仮面舞踏会』という作品です。読んたのは25年前でした。真夜中に本書を読んでいたら、とある場面に恐怖をおぼえました。内容としては、パソコン通信のチャットといった昔(1995年)のツールを扱った小説ではありますが、今読んでもおもしろくて怖いんじゃないかと思ってます。栗本薫作品でも、完成度の高い作品のひとつかも。栗本薫がもう少し長生きしてたら、現在のソーシャルメディアを扱ったミステリやホラーをどんなふうに書いていただろうか。
というか、私は1996年以降の栗本薫作品をほとんど読んでないので、最近のものはよく知りません。『緑の戦士』とか。
なので、私がオススメする栗本薫作品は、古いものになりまする。
【オススメの栗本薫作品は?】
先に挙げた『仮面舞踏会』はシリーズものなので、それほど強くオススメできませぬ。では、何をオススメするかというと、クトゥルー神話ものが好きな人なら、『魔界水滸伝』は読んでおくべきでしょう。魔界水滸伝は、純粋な(?)クトゥルー神話ものではないのですが、10巻まではおもしろく読めます。それから、クトゥルーものでいうと、『魔境遊撃隊』もすんなりと読めます。前半は魔境冒険ものなのでおもしろいです。
個人的にオススメするなら、やはり、初期のミステリものかなと思います。ミステリとしての出来もいいですし、なにより、同時代的なところがあるので、そこらへんの空気感を味わうにはよいかも。『ぼくらの時代』からはじまり、『絃の聖域』とか『鬼面の研究』とか。BLものが苦手な人には、あまりオススメしませんけど、まあミステリとしてはよいです。
そして、『魔都』という作品の序盤はものすごいおもろいです。序盤だけは。キャラクターでいうと、『レダ』という作品に出てくる「哲学犬ファン」は大好きです。
個人的にもっとも印象に残っているのは、『ネフェルティティの微笑』です。これは幻想小説としても読めるかも。エジプトが主な舞台です。
【まとめ】
栗本薫を読むなら、『仮面舞踏会』とか、『魔境遊撃隊』あたりを薦めます。
中島梓名義の本については、とくにオススメするものはないかなぁ。今度読み返す機会があれば何かしらの感想を書きます。
【おまけ】
エフフォーリアが、緑のターフに別れを告げて、新たな馬生へと入るすなわち種牡馬入りすると発表されました。心房細動自体は、治療したら、もう二度と発症しないと、このまえグリーンチャンネルの番組で知りました。なので、心房細動が引退の原因ではないのでしょう。まあ、この先無理にエフフォーリアを走らせるよりも、種牡馬価値が下がらないうちに引退させようという判断なのでしょう。とにかくお疲れさま。
(成城比丘太郎)