- 「読書メモ077」
- 11月に読んだ本について。
- 外国文学とサッカー。
- オススメ度:★★★☆☆
【近況】
冬の寒さが近づいてきて、私の古傷が少し疼きます。といっても、中二病的なものではなくて、過去に骨折した右足の痛みが訪れてきたのです。サッカーをしている時に骨折した箇所が少し痛むのです。これが個人的な近況です。
そんななか、サッカーのワールド・カップが盛り上がりを見せて、先週の日本ではジャパンカップがそこそこ盛り上がりました。ジャパンカップの結果は、ジョッキー側から見ると、上位はワールドクラスのジョッキーの競い合いになりました。デアリングタクトは惜しかったけど、ジョッキーの乗り替わりが良かったのでしょう。デアリングタクトの馬券買ってなかったけどよく頑張りました。シャドウディーヴァもお疲れさまですっ!
そんなジャパンカップのあとに、京阪杯がおこなわれ、トウシンマカオが快勝しました。まあ、相手が弱かったとはいえ、1頭だけ違うレースをしました。父ビッグアーサーの後継になってほしい。現在のスプリント戦線は手薄なので、来年の短距離戦線を引っ張っていってほしい。これからトウシンマカオを推していきます。あと、このトウシンマカオの母父はスペシャルウィークですよー。
ほんで、ワールド・カップについて。スペインは3戦目に向けて調子を上げてくるように思います。スペインと対戦する日本チームに期待するのは、タイトな守備と鋭いカウンターかなぁ。スペインが優勝を目指すなら、グループリーグのどこかで、一度は厳しい試合を経験しとかないと。
さて、そのワールド・カップのリアタイ放送時間は、これから日本では深夜帯になります。とくに重要なゲームは深夜4時キックオフに集中している印象です。その時間には私は寝てます。なので、スペインと日本の試合をリアルタイムでは見られない。かといって、早起きする気もあまりない。朝起きたらすべてが決まってるというのもなんだかなぁーと思うだけです。
【読んだ本のこと】
この11月は、ワールド・カップの他にも用事があったので読書はそれほどできないかなと思ってましたが、実際は、けっこう読めました。その中から今回紹介するのは以下の本です。
・『野原』(ローベルト・ゼーターラー著、浅井晶子・訳/新潮クレスト・ブックス)
この小説の内容は、オーストリアの小さな町に住む人たちのことです。といっても、登場する29人の者たちはすでに死者となっています。その死者たちが、生前にどのような人生をおくり、そしてどのような死を迎えたのか。そんなことが語られます。それら語り手の人生が断章的に短く語られますので、ワールド・カップの試合の合間などに読むのに丁度よい本でした。
「訳者あとがき」によると、この『野原』という題(原題:Das Felt)は「畑」という意味合いも持つそうです。さらには、英語でいうフィールドと同様の意味合いもあるようです。「野原」という限定された土地で繰り広げられた様々な人生は、まるでサッカーのフィールドに入り乱れるフィールドプレイヤーのように読めたのは、私がサッカーの試合の合間に読んだからです。
「この世には羊と狼がいる。でも選べないんだ。どっちになりたいか、自分で決めるわけにはいかない。わかるか? 自分で決めるんじゃないんだ、運命なんだよ」(本書p.16)
サッカーの試合には基本的には、勝者と敗者がいます。とはいえ、勝者の中にも色んなバリエーションがあるでしょう。それはいいとして、だれでも勝者になりたいと思っているでしょう。試合を決める能力の高い人がいるチームが勝ち上がる確率は高くなります。決定的な仕事ができる優秀なフィニッシャーがいるかどうかが勝負の分かれ目。ゲームを自分で決めるんだという心構えと、そして、少しの運も必要です。サッカーの試合を観てたら毎回そんなことを思います。
【余談】
ワールド・カップの試合を観ている時、テレビの音声を消して、同時にラジオを聴くことがあります。サッカーは映像だけでも楽しめますので。その試合の行方が決まってしまった時すなわちつまらなくなってしまったら、本を読み出します。文章を読みつつたまに試合をチェックして、ラジオを聴くのです。3つのことを同時並行でおこなうと、どうしても試合展開を追えなくなってしまいます。というか、それらのどれも満足に楽しめないんですけど。しかもそれに加えて、食事をすることもあります。この前は、炊き込みご飯とポテトサラダとおでんもどきと味噌汁を食べました。ちなみにポテトサラダはレンチンしました。
(成城比丘太郎)