3行で探せる本当に怖い本

ホラーを中心に様々な作品を紹介します

★★☆☆☆

夏の滴(桐生祐狩/角川ホラー文庫)

投稿日:2016年12月28日 更新日:

  • 少年少女の日常生活が壊れる系のホラー
  • かなりのトンデモ結末
  • 読むのを勧めるかどうかは非常に迷う
  • おススメ度:★★☆☆☆

本の帯に書いてある導入部の紹介を引用すると「藤山真介。徳田と河合、そして転校していった友達は、本が好きという共通項で集まった仲だったのだ――。町おこしイベントの失敗がもとで転校を余儀なくされる同級生、横行するいじめ、クラス中が熱狂しだした<植物占い>、友人の行方不明……」というもので、その後、夏休みの親子キャンプで驚愕の事実に遭遇するというストーリー。

少年が大人達の欺瞞に徐々に気付いていくという内容で、「日常が壊れる」系の作品だ。怖さの種類も、心理的・生理的に嫌悪感を抱くようなタイプ。読みやすい文体だが、かなりグロテスクな表現もあるので苦手な方は注意が必要だ。

しかしである。状況だけ見るとホラーなんだが、やり過ぎて怖いと言うよりむしろ笑えるシーンになってしまっているのが残念。詳しくは書けないが「真相」を知った瞬間「そんな馬鹿な話はあるわけはない」、もっと短く書くと「んなアホな!」という感じだ。

「日常が壊れる」パターンの話は大好きなのでまずまず楽しめたが、もうちょっとキャラクターに愛着が持てると良かった。良きにつけ悪しきにつけ、目を疑うような結末であることは間違いない。

夏の滴 (角川ホラー文庫)
夏の滴【電子書籍】[ 桐生 祐狩 ]

-★★☆☆☆
-, ,

執筆者:

関連記事

殺人依存症(櫛木理宇/幻冬舎文庫) ~ 話の要約とネタバレあり、閲覧注意

タイトル通り、閲覧注意 残虐で不条理な物語 後味は最悪だ おススメ度:★★☆☆☆ 最初にこんなことを書くのもどうかと思うが、本書を読むのはやめた方がいい。ただ残虐でグロテスク、実在の事件をネタにするな …

実録怪異録 死に姓の陸 (西浦和也/竹書房ホラー文庫)

実話短編怪談集。メインタイトルは連作 堂に入った語り口で安定して読める 実話だと思うが、霊現象そのものには「?」 おススメ度:★★☆☆☆ こういうサイトを運営していると時々読みたくなる実話怪談シリーズ …

ターミネーター:ニュー・フェイト(監督:ティム・ミラー 製作:ジェームズ・キャメロン/デヴィッド・エリソン)

T2劣化コピー みんな老いた 分かるけどさ、20年遅い。 おススメ度:★★☆☆☆ 先日、ターミネーター2を再見して、いたく感動した。CG技術は未熟だが、とにかく、カッコいい。無印のターミネーターがSF …

異常心理犯罪捜査官・氷膳莉花 嗜虐の拷問官 (久住 四季/メディアワークス文庫) メディアワークス文庫) 

今回は拷問殺人がテーマ 主人公は本庁に戻ったが話の流れは同じ 微妙になりつつある おススメ度:★★☆☆☆ 今回、あらすじはAmazonの紹介文を引用させて頂きたい(結構長い)。 人気シリーズ! 拷問は …

THE LEGEND & BUTTERFLY【映画】~ネタバレありの感想

綾瀬はるかの演技は良い キムタクはずっとキムタク 監督のセンスが古すぎる おススメ度:★★☆☆☆ 映画の説明としては「木村拓哉(以下キムタク)が織田信長、綾瀬はるかが濃姫役を演じ、二人にスポットを当て …

アーカイブ