- タイトル通りの残虐スプラッター・ミステリ
- オチは意外だが、少々わかりにくい
- 残酷描写が苦手な方は読まない方がよいだろう
- おススメ度:★★★☆☆
著名なミステリ作家である綾辻行人が仕掛けるスプラッター・ホラー。合宿のために山を訪れた若者たちが殺人鬼に襲われるという「13日の金曜日」的なよくあるシチュエーションの中、まんまB級ホラー的なスプラッタなストーリーが展開される。さらにミステリ作家としての細工も仕掛けてあるというのが売り。
作者は自分自身のスプラッター表現の限界に挑戦している、あるいはその表現を楽しんでいると感じで、まさしく「正統派」エログロ作品となっている。タイトル通り、殺人鬼による残虐な殺人が描かれるガチンコホラー展開なので、苦手な方は多少ミステリに興味があっても読まない方が良いだろう。
オチは確かに意外だし、伏線も貼ってあるので、よくよく読んでみるとお話の仕掛けも納得できる。残虐描写に目が行って、伏線に気づかないというのはある意味素晴らしい。ただ、よくできているが大変面白いというかというとそうでもなく、一種の「企画もの」ミステリという気もする
残虐描写がお好きな方、または綾辻行人のファン、未読で謎解きに興味がある方などにはオススメだ。ちなみに、続編も「逆襲編」として刊行されている。
(きうら)
![]() 殺人鬼(逆襲篇) [ 綾辻行人 ] |