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コラム 特になし

分厚い本を読む〜「成城のコラム(100)

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  • 「コラム100」
  • 分厚い本。
  • 一冊で百冊分読める本。
  • オススメ度:特になし

【近況〜春アニメ】

春アニメが本格的にはじまって夜はアニメ三昧です。タイトルに「異世界」のつくものが多い印象です。異世界転生らしきものもいつくか見受けられます。そのなかで、『推しの子』のアニメは異世界転生ではないものの、ある意味転生ものといえるのでしょうか。その【推しの子】でもっとも注目したカットがあります。それは、主要人物(幼稚園児)が読んでいた本の外観(?)がアップになったところです。

その本とは、京極夏彦の『絡新婦の理』(講談社文庫)です。アニメのネタバレしますと、その園児の中身は大人なので、京極夏彦を読んでいても違和感はありません。推しの子の出版社は集英社のようです。ではなぜ、そのアニメ内で、講談社文庫の『絡新婦の理』を登場人物に読ませていたのかは調べていないのでわかりません。それについて調べると、もしかしたら作品のネタバレを見てしまうかもしれないので。内容的に、推しの子と絡新婦の理との関連性があるのかないのか。

というか、その『絡新婦の理』のことが気になって、アニメ第一話の後半に集中できなかた。これが絡新婦の糸に絡め取られたということなのか。

【絡新婦の断り】

さて、私はその『絡新婦の理』(ノベルス版)が発売されてすぐに購入して、あっという間にではないですけどけっこう早く読みました。で、それから数日経ち、とある知り合いからオススメの本を尋ねられました。その時ちょうど書店にいましたので、早速、『絡新婦の理』を指し示し、「この前この本読んだわ。オススメやで」と少しドヤ顔で申しました。

知り合いはそのタイトルを見ると、すんとした顔をして、静かに首を横に振りました。事実上の断りです。それはつまり拒絶の態度ではありましたけど、それ以上のものがあると察知しました。こいつに読書のことを尋ねるのはこれでおしまいにしよう、というようなニュアンスの表情でした。実際、それ以降私に読書のことを尋ねることはありませんでした。

あの時、私はどの本を提示したらよかったのか。まあ、その知り合いは頭のよい人物だったので、それなりの本を示したらよかったのでしょう。20年以上経ってもまだ悩んではいませんけど、もしあの時にタイムスリップできたら、違うタイトルの本を示したでしょう。

ではどんな本をオススメしたらいいのか。おそらく意趣返し(?)として、分厚い本をオススメしたかも。

【分厚い本を読む】

分厚い本というと、個人的に読んだことがあるなかでいうと、聖書や辞書(事典、図鑑)や画集や、文学の個人全集あたりでしょう。それ以外だと、海外文学や哲学書では色々とあります。最近だと、ソローキンの『ロマン』も一巻本になって分厚くなったし、講談社からこの前出版された『哲学探究』もまあまあ分厚いです。

といっても、研究者でもないのに、何百回も文学書のページを開くわけではないでしょう。『哲学探究』ならそのくらいは開くかもですけど。個人的に、百回以上もページをめくって読んだ(見た)もっとも分厚い書物は、やはりシオランの『カイエ』です。

ちなみに、講談社関連の文庫で分厚い本というと、私が所持してるのだと、『漢詩鑑賞事典』とか『キリスト教史』あたりです。
あと、平凡社ライブラリーのミシェル・レリス『幻のアフリカ』も分厚いです。
漢詩鑑賞事典はたまに開いてます。キリスト教史はまだ読んでません。幻のアフリカは、なんかちょっと変わった日記とかスケジュールみたいなかんじ。

分厚い本は読みにくいというか、手に持っているとしんどくなる時もありますけど、たまに手に取りたくなるんですよねー。これは電子書籍では味わえない味かなぁ。

(成城比丘太郎)


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