- テトリスとぷよぷよが上手く融合
- 楽しいキャラクター
- 安定の面白さ。接待用にも最適
- おススメ度:★★★★☆
ストーリーのある「ゼルダの伝説 BOW」はともかく、さすがに怖い本のサイトでパズルものゲームの紹介は無いだろうという方もいるでしょう。しかし、ちょっと語らせて欲しい……このゲームの「ぷよぷよ」に出てくる「アルル」と「カーバンクル」のオリジナル作品をリアルタイムで遊んだ者として……‼︎ 恐らくこのサイトの読者の99.9%は該当しないと思う。お話はMSX2というキカイに遡るのであった。
そもそもですね……その昔、何十万円もするパソコン(NECのPC-88シリーズなど)を買えない若者の為にMSXというキーボードに本体が内蔵された様なパソコンがありましてね……その後継機種がMSX2だった。そりゃあ、ファミコンにも劣る様なグラフィック性能だったのだが、これが自分でプログラムを組めるというアドバンテージがあった。それでも3万円くらいしたので、14800円(消費税のない時代!)のファミコンの約2倍の価格。でも、プログラムが組めるということは理論的には無限に自分でゲームが作れる(と、思っていた)。
そのMSX2用にディスクステーションという、今で言う月刊誌の様な感覚でゲームを何本か収録したソフトが出ていた。これは実に画期的で、一本のソフトに幾つものゲームが入ってるのは夢の様な出来事(と、思っていた)。実際には、いわゆる「ミニゲーム集」だったのだが、「ミニゲーム集」というジャンル自体がない時代、実に画期的な試みだったのだ。
前置きが長くなったが、「ぷよぷよ」に登場するアルルとカーバンクルが登場するのが、このディスクステーションに収録された「魔導物語」という3DダンジョンRPGなのだ。ポリゴンなど影も形もない時代、3Dとは名ばかりのそれはもうショボいものであったが、キャラクターデザインとストーリーに光るものがあった(との記憶が朧げにある)。
話は回り回ってこのゲームに戻るが、記憶にあるアルルよりずっとファンキーなキャラが今風のデザインで登場する本作はテトリスとぷよぷよがクロス対戦できるゲームのニンテンドースイッチ版である。全くタイトル通りで紹介する余地もない。様々なモードがあるが、ストーリーモードはまあ、あってもなくてもいいような話と可愛いキャラで様々な条件で敵と対戦する。テトリスもぷよぷよも強制的にやらされるので、どちらかが苦手でも慣れれてよい。インターネット対戦もちゃんとできるので、腕に覚えのある宇多田ヒカルのような人でも大丈夫だ。
ゲームそのものは遥か昔に完成されたシステムなので面白いというより「よく知ってる」という感覚だ。ゲームとしてはロードも速いし、ボイスも悪くない。ちゃんとテトリスとぷよぷよで戦えるので、私のような古いゲーマーでも楽しめる。息抜きにはちょうどよい。子供たちも結構楽しんで遊んでいるので、ゲーム性そのものは高いと言える。なので、おススメ度は高くしてみた。
私の自慢は、ファミコン版のテトリスをいち早く買って遊んでいたことだ。それを見た当時の母親の感想は
「またピコピコ(ファミコンのこと)ばっかりやって!」
というお叱りだけであった。その後、テトリスが世界を席巻しようとは夢想だにしなかったが、ゲームに対するその慧眼が何か人生に役に立ったかと言うと、全くないと断言できる。結論としては、このゲームは面白いが、所詮、生きる為には何の役にも立たない(直接的には)。無理やり怖い話をするすれば、ゲームをやってる時間は人生が「止まってる」と思った方がいい。ただただ、老いていく……せめて将棋でもやってれば良かった……(時事ネタ)。
因みにカーバンクル、頭から破壊光線を出す(という四コマ漫画を「MSX・FAN」という雑誌で読んだ)。古い話だけに、実にカッコの多いお話でした。
(きうら)