- GANTZを換骨奪胎したような作品
- ちょっと寄生獣も入っている?
- 精緻なメカデザインは好み
- おすすめ度:★★★☆☆
宇宙人の「事故」で消滅した二人の人間が、アイデンティティはそのままに機械化されてスーパーマン(アイアンマン?)として再生するSFアクション。片方はうだつの上がらないサラリーマンで「善」の役割、後者は引きこもり気味の学生で「悪」の役割。機械化された彼らは、人は簡単に殺せるし、空も飛べる。ヒーリング能力もあるし、ATMを操作したりする能力も。要するに神になった二人の顛末が描かれる……はずである。
実は1巻及び2巻のみを読んだのだが、二人が超能力(機械化された体)を得て、片方が悪のために(関係のない家を襲って皆殺しにしたりする)描写と、死にかけの猫を救ったり、いじめられていた男性を救ったりする善のために力を使う描写を見せられただけで、これから先どうなっていくのは正直分からない。
導入部分、「異星人による死からの再生」そして「超能力を手に入れる」という導入はGANTSとまったく一緒の展開で、その主人公が変わっただけのような感じ。GANTSに出てきた異星人狩りというテーマはないが、その代わりに一般人を攻撃/救助するというったプロットとなっている。
ま、ポイントは癌で余命三か月を宣告された58歳に見えない老けた「犬屋敷」の感情の動きと行動にあると思う。彼はまさに正義のヒーローとして覚醒しつつある。今はステレオタイプな老人にしか見えないが。
ま、絵がうまいのはいいとして、雰囲気から展開までGANTS時代から特段進化が見られないのはどうしたものか。ある意味、開き直りのような展開で、新鮮さはあまりない。3巻からビッグな展開が待っているのかもしれないが、今のところ、別に読んでも読まなくても別にいいかな、という言う感じ。
頭を打ちぬいたり、子供まで殺したり、バイオレンス描写は結構多いので、一応閲覧注意。GANTSほど、殺しまくったりしないが、どうも作者にはこういう破壊願望があるような気がする。
これだけでは、なんとも言えないが、もし3巻を読んだら印象が変わるかもしれない。グダグダかもしれない。
GANTSファンには勧めやすいような、勧めにくいような不思議な作品である。
(きうら)