- 私(きうら)的セレクト
- 幾つかは詳細なあらすじ付き
- いつかクリアなオリジナル版を観たい
- おススメ度:★★★★★(総合)
私にとって「まんが日本昔ばなし」は特別なアニメだった。それこそ物心ついた時から成人して社会人になり現在に至るまで、何らかの影響を受け続けた。様々な理由があってこのようなホラー系読書サイトを5年以上運営しているが、根底にある恐怖感の一つが以下に紹介するエピソードである。非常に個人的なリストであるので、これ以外にも怖い話はあったと思うが、何分記憶力が薄れてきているのでご容赦のほど。なお、記事にしていないエピソードも載せている。続けて読むと同じことを相互に述べている感想が散見されるが、それぞれ時間を置いて書かれているので、その辺も大目に見て頂ければ。
十六人谷
怪奇・猟奇・エロティシズム・不条理・文学的情緒を併せ持つ最強の怪談。いまだにこの話が一番怖い。一瞬で脳裏に焼き付く殺戮シーンは鮮烈だ。
飯降山
「ぼのぼの」で著名ないがらしみきおが描く静かな狂気。人間の持つ負の感情を炸裂させるのはまだしも、カニバリズム(食人嗜好)まで盛り込むのはやりすぎだろう。
みちびき地蔵
地震の恐怖を描くエピソード。津波というテーマを別に考えても、絵もストーリーも演出も強烈すぎて何も言葉が出てこない。この絵をアニメで動かそうと思ったのはすごい。
三本枝のかみそり狐
痛みにフォーカスした猟奇的作品。「自分で体験しているような痛み」が丁寧に描かれる。あからさまな拷問や首を切られるとかそういう種類ではない、生々しすぎるシチュエーション。
夜中のおとむらい
正調和風怪談。自分の葬式を自分で見てしまうという単純なネタだが、時間をゆがめた構成が見事。モノクロに近い終始抑えた演出だけに、おとむらいシーンは夢に見てうなされるほどヤバイ。
吉作落とし
身近な絶望を扱った極めて残酷な作品だ。助かりそうで助からないという孤立系ホラーの神髄。真綿で首をじわじわと首を絞められた上、最後は斬首される気分になる。
キジも鳴かずば
哀しみに振り切ったホラー。というより残酷なだけの物語。後味が素晴らしく悪い。可愛い絵柄の後にトラウマが残るだけ。ラストのタイトルコールの下りが哀切極まりない。
【まとめ】
これ以外にも森や淵に関する話やホラー・アクションの傑作・三枚のお札(新しい方)、落語系のおいてけ堀、飢饉や災害を扱った作品など、怪談、ホラー、実話系残酷話は山ほどあるが、記憶の中から選べばこの7作にしたい。どれを思い出しても大変嫌な気分になる。子供向けの短いアニメに世の中の恐怖を詰め込んだのはなぜだろうか。とても大切なことを伝えたかったに違いない。
※非常に残念ではあるが、現在これらのエピソードは公式に観ることはできない。私としては「まんが日本昔ばなしチャンネル」を作ってくれてもいいくらいなのだが(月額300円は払おう)権利関係が難しいのだろうか。
(きうら)